日本語

入力するもの/得られるもの

対象

ローカライズスタジオと吹き替えチーム

言語別・分単位で価格設定し、クライアントの締切とクライアント側レビュアーに合わせて納品する、ローカライズスタジオ/吹き替え制作会社/言語サービス事業者の制作責任者向け。

開始時に用意するもの

確定したソースカットとクライアント用語集

承認済みの元動画、クライアントの用語ベース、製品名と法務確認済みの表現。さらに、話者本人の音声を再利用する場合は、書面の音声使用許諾が必要です。

得られるもの

言語別のマスターをファイルで返却

発注されたすべての言語について、吹き替え・リップシンク版を作成。いずれも社内用下書きではなく、納品用マスターとして仕上げます。VisionStoryはファイルを返却してそこで完了します。クライアント対応、翻訳の代理承認、公開は行いません。各国でのレビュー工程と最終承認は、貴社とクライアント側で進めます。

言語が「収録セッション」ではなくなったときに変わること

ローカライズの受注は、価格は製造業のように計算され、スケジュールは手配業のように組まれます。見積もりは「分×言語数」の算数で決まる一方、納期はブース、キャストの予定、そしてクライアント側の誰かが握る承認ラウンドに左右されます。つまり「見積もれる範囲」と「約束できる範囲」のギャップこそが、ローカライズ事業がスケールするか停滞するかの分岐点であり、そのギャップはたいてい予測可能な5つの場所で広がります。

ブースのカレンダーが塞いでいた言語を取りに行く

あるブランドが、12分の製品動画を9言語で、納期3週間で欲しいと言ってきたとします。レート表は「分×言語」なので、見積もりは自動的に出せます。問題はスケジュールです。ブースは2つ、9人のうち4人は予定が読めないフリーランス、さらにある言語は都市内に使えるタレントが1人しかいない。結果として、クライアントが受け入れない納期を提示するか、3言語をパートナーに回してその分の利益を手放すか、どちらかになりがちです。

確定したカットから各版を生成すれば、ブースのカレンダーからそれらを外せます。元データは1本のまま、各言語は「収録セッション」ではなく「レンダリング」になるため、9言語の案件でも、2週間の間に9件の予約を全部成立させる必要がなくなります。その結果、スタジオ時間は最も利益を生むところに集中できます。主力言語、クライアントがこだわったオンカメラのタレント、そしてレビュー後の差し替え収録に回せるようになり、そもそも誰も予定に入れたがらなかった“長い尻尾”の言語に振り回されません。

用語修正を「各言語で」ではなく「一度で」済ませる

初回の仕上がりでは、8言語中5言語で製品名がただの一般名詞として翻訳され、数値の単位換算は一切されず、さらにクライアントの法務チームがすでに文書で確定していた用語に対して日常的な言い回しが選ばれてしまいます。辞書的にはどれも誤りではないのに、レビューでは全てに修正が入り、そこで初めて「用語集が実作業者に届いていなかった」と高いコストを払って気づくことになります。

吹き替えに入る前に用語集を確定しておくことが、そのレビューラウンドを短くする鍵です。製品名、型番、法務レビュー済みの表現、そしてターゲット市場で実際に使われている単位を台本に反映し、各言語版はそれを引き継ぎます。VisionStoryは用語データベースを保管したり強制適用したりはしません。あなたの側で適用し、クライアント側のレビュアーが結果を確認します。違いは、用語の修正コストが「8回の収録」ではなく「1回の再レンダリング」になることです。

最初の言語をレンダリングする前に、現地レビュアーを指名する

最終的に、各言語版は必ず「その国のたった1人」によって判断されます。たとえばミュンヘンの販売代理店のマーケ責任者、東京のコンプライアンス窓口、サンパウロのカントリーマネージャー、といった人です。その人だけが、「その主張はドイツ語ではその言い方はできない」「敬称が対象読者に合っていない」「その比較表現はそもそも当該市場では出せない」といった裁定を下せます。ところが多くの案件では、最初の版が出来上がって共有フォルダに置かれ、意見待ちの状態になるまで、誰も指名されません。

キックオフ時に、担当者の名前と稼働時間まで確認しておけば、「言語が増えた途端に仕事が行方不明になる」状態を避けられます。そのレビュアーには、吹き替え・字幕・画面内テキストまで反映済みの版を渡してください。すると、戻ってくる指摘は「なんとなく違和感がある」ではなく、具体的になります。各指摘は同じロック済みソースから当該言語だけを再レンダリングすればよく、収録ブースを取り直す必要はありません。最終承認はあくまでクライアント側の現地レビュアーにあり、その人がサインするまで、その市場には一切出荷しません。

音声は合っているのに、口が合わない

クライアントは、まず自分で判断できる最初の言語(多くの場合、CEOが話す言語)を見て、10秒もしないうちに「何かおかしい」と言います。訳は正確で、読みも上手く、尺もショット内に収まっているのに、プレゼンターの口だけが英語の文章を作り続けているからです。専門家でなくても一瞬で気づく欠陥であり、チェック手段のない残り7言語に対する信頼まで静かに削ってしまいます。

リップシンク対応の吹き替えなら、その“バレ要素”を消せます。ロック済みの元カットから、各言語は新しい音声に合わせて話者の口の動きも一致した状態で生成されるため、元の言語を知らない視聴者が「元が別言語だった」と気づく理由がありません。タイミングは映像に紐づいたままなので、固定フレームに法務テロップや主張表現を載せる場合でも重要です。クライアントが提供した顔画像に再利用権がない場合、その許諾は、何かを作り始める前にクライアント側で用意してもらう必要があります。

画面内テキストは、音声では起きない形で崩れる

吹き替えは、誰もが最初から織り込み済みの工程です。実際に赤入れで戻ってくるのは、画面上の文字です。ドイツ語は元の英語より長くなりがちで、字幕がセーフエリアからはみ出したり、2行のローワーサードにかぶったりします。法務テロップは固定フレームに載っているため、翻訳後の文言が許容される表示秒数に収まらなくなることもあります。アラビア語やヘブライ語は、単に言葉を置き換えるだけではなく、レイアウト自体を左右反転する必要があります。こうした問題は、音声が完成してから誰かがようやく最初から最後まで視聴するまで表に出ません。

だからこそ、字幕・ローワーサード・焼き込みテキストは「最後の仕上げ」ではなく、制作工程の一部として扱ってください。まず情報が載るフレームから、最も文章が伸びる言語でチェックし、右から左のレイアウトもレンダリング後ではなく事前に決めます。すべての言語版は同じロック済みカットから作られるため、映像のタイミングは保たれ、主張表現や法務テロップもクライアントが承認したフレームにきちんと乗ります。字幕の修正も、バッチ全体の作り直しではなく、1言語の再レンダリングで済みます。

ローカライズ/吹き替えチームがVisionStoryを使う方法

以下の各ステップは、クライアントがロックした元カットを起点に進みます。また、各ステップごとに、言語版を納品・請求する前にクライアント側で何を確認する必要があるかを明確にしています。

いずれの言語版も納品前に、クライアント側の現地レビュアーが用語、法務レビュー済みの表現、単位、文化的適合性を確認し、あなたのプロデューサーが音声使用許諾(リリース)がこの版で使用する言語・チャネル・期間をカバーしていることを確認します。

  1. 01

    ロック済みの元カットを、発注された全言語に展開する

    クライアントが承認した元カットをAI動画翻訳ツールに渡すと、ショット順・画面内テキストのタイミング・映像は承認どおりそのままに、88言語で吹き替え/リップシンク対応の版が返ってきます。まずカットをロックしてください。後から再編集すると、すでに作成済みの全言語版と、そこで費やしたレビューラウンドがすべて無効になります。レンダリング前に台本へ用語集を適用し、そのうえで各言語版は「完成品」ではなく「レビュー候補」として扱ってください。

    ツール AI動画翻訳ツール
    AI動画翻訳ツール
    承認済みの元動画1本から、吹き替え・リップシンク対応の多言語版を作成します。
  2. 02

    クライアント本人の話者を、録音していない言語にも展開する

    声のクローンは、プレゼンター/創業者/スポークスパーソンの許諾済み録音を1つ、再利用できる音声に変換します。これにより、本人が収録ブースに入っていない市場でも、同じ人物が話しているように見せられます。その録音は本人による書面での許諾が必須で、リリースには包括的な同意ではなく、使用する言語・チャネル・期間を明記する必要があります。許諾がない場合は、ライブラリの1,000以上の音声から選び、どの言語版で選択した音声を使っているかをクライアントに伝えてください。

    ツール 声のクローン
    声のクローン
    許可された元音声の録音から、再利用できる音声を1つ作成します。
  3. 03

    クライアントが実際に送ってきた元音声をきれいにする

    クライアント支給の素材がスタジオ並みにクリーンなことはほとんどありません。換気音がうるさい会議室、展示会の会場、現場訪問時のスマホ録音など。ノイズを除去は、聞き取りやすさを保ったまま背景ノイズを抑えられます。重要なのは、元の読みがすべての言語版の基準になるからです。これは「修復」であって「救済」ではありません。台詞がかぶっていたりクリップしていて復旧不能な場合は、早めにその旨を伝え、誰にも聞こえない主張を納品するより撮り直しを依頼しましょう。

    機能 ノイズを除去
    ノイズを除去
    明瞭で聞き取りやすい音声を保ちながら、背景ノイズを低減します。
  4. 04

    クライアントが承認した演技はそのままに、音声だけ差し替える

    読みや間(テンポ)は完璧なのに、音声だけが違うことがあります。クライアントがペースや強調は承認したのに、年齢・性別・声質を変えてほしいと言われたり、録音した話者がこの言語版の展開先市場で使用許諾されていなかったり。声の変更は、元のタイミングと演技を保ったまま既存録音の音声だけを置き換えられるため、直前の修正指示でも追加セッション代がかかりません。クローンした置き換え先の音声にも、元音声と同じく文書での許諾が必要です。

    機能 声の変更
    声の変更
    元のタイミングと話し方(演技)を保ったまま、既存録音の出力音声を変更します。
  5. 05

    クライアントの配信プラットフォーム仕様に合うマスターを納品する

    ローカライズ案件は、クライアントの手元に残っている素材から始まることがよくあります。前の代理店が書き出した圧縮データ、プラットフォームから抜き出したファイル、過去キャンペーンのマスターなど。AI動画アップスケーラーなら解像度を最大4Kまで引き上げられるので、各言語版を「主言語の明らかに甘いコピー」ではなく、納品用マスターとして出せます。まずは法的スーパー、パッケージ表記、製品ディテールなど情報が載っているフレームを優先して確認し、復旧不能な元素材は無理にアップスケールでごまかすのではなく、早めに警告・共有しましょう。

    ツール AI動画アップスケーラー
    AI動画アップスケーラー
    既存の低解像度動画を最大4Kまでアップスケールし、より鮮明な納品用マスターに仕上げます。

よくある質問

  • クライアントが確定(ロック)した元カットと、製品名・法務レビュー済みの表現・単位を網羅した用語集から始めます。次にAI動画翻訳ツールが、その1本の元動画から、発注された言語順に吹き替え・リップシンク対応の各言語版を生成します。話者本人が書面で許諾している場合は、声のクローンで元の話者の声を各言語版に引き継ぐことも可能です。各言語版はクライアント側の現地レビュー担当に回り、修正は新たな録音セッションではなく、該当言語の再レンダリングとして戻ってきます。

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